ここでは、住重労連(当時は住重労組)結成宣言(抜粋)を掲載します。
民主的で対等な労使関係は、最初から存在していたわけではありません。
今日の民主的な組合・労使関係・各種労働条件は、私たちの先輩方が大変な努力と長い年月をかけ、築き上げ、勝ち獲ってきたものです。
私たちは先輩方の築き上げてきたこの関係を維持・発展させなければなりません。
先輩方の勇気を、みなさんの活動の一助として下さい。
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1. 住友重機械労働組合(現:住重労連 横須賀地本) 結成宣言(1971.9) |
暗雲去れば陽さんさんと輝く……新しく住友重機械工業労働組合は結成され、誕生した。
思えば、闘いは暗くてこわい職場支配の中から芽生え、長い期間忍耐と屈従を強いられて来た。
そして今、解放されて忍耐の限界を尽くし打ったにも拘らず、この挙に踏切らざるを得ない事態にあって、我々は断腸の思いである。
仲間の誰も知る通り、あの「総改選を勝ちぬく集い」に総てをかけ、希望をつないでいたからである。
しかし現在、一切の平和解決の道が失われている現実にあれば、あえてこの決意を誰が非難できようか。
今、浦賀分会には民主主義は存在せず、組合ファッショが支配しているからである。
片や、多くの組合員が期待する労働条件の向上、生活向上と安定、福祉の増大などこの悲願を断じて裏切れず、約束と信義を守る決意が強く息づいている。
ましてや、中途にして義務を放棄することは不可能である。この不退転の志が住重労組を結成させたのである。(中略)
浦賀分会が造船産業界の孤児を免れるには、民主化されて造船重機共闘会議に参加していく以外にない。
このために全造船とタモトを分かつのである。
ここに我々ははっきり言明する。
「全造船機械の中では労働組合主義は守れないし、実現出来ない。
我々は、住重労組に結集し、造船重機共闘会議二十万に参加し、安定を計り、社会福祉の実現に努めていこう。
これ以外に道はない。」
※住重労組、起て!
※住重労組、結成万歳!
※重機、連帯!
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2. 住友重機械玉島労働組合(現:住重労連 玉島地本) 結成宣言(1971.9) |
職場で働く仲間の暖い手に支えられ、熱意と創意によって今日ここに私たちの組合「住友重機械玉島労働組合」を結成しようとしている。
想えば、今日までの長い間、独裁執行部の権力と、いわれない誹謗中傷が横行する職場の中で、私たちは信愛と民主主義を訴えつづけてきた。
しかし、全造船本部と結託した執行部は、自己の地位安泰をねらって、自己の主張以外のすべてを否定し、代議員会、選挙管理委員会を自らの手でぶっつぶし、分会規約をふみにじるなど我欲の鬼と化している。(中略)
分会規約によって選ばれた執行部が法人格を持つ自らの組合規約を無視し、任期をこえて更に執行部の座に居座ろうとして本部指示を要請する考えであることは明白である。
この態度には一二〇〇名組合員に対するひとかけらの誠意も見出すことはできない。
組合運動の民主化をめざし、耐えがたきを耐えた私たちであるが、かかる強権のまかり通る不毛の地に何ひとつの期待をもえがくことができなくなった。
執行部は、玉島分会の中に小数の玉島分会(第二組合)をつくろうとしていることが明確になった現時点において、私たちは、私たちと志を同じくする大多数の人々と共に手を携えて起き上がったのである。
私たちは、造船重機械産業に従事する労働者との連携を密にし、産業の民主化と労働諸条件の向上に力をつくそう。
たとえ、今まで以上の苦難な道があろうとも決して陽かげの存在になってはならない。
あくまでも明朗に、あくまでも堂々と私たちはこの道を力強く歩んでいこう。
私たちと家族を含めた幸福のために!!
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3. 住友機械労働組合(現:住重労連 愛媛地本) 第32回定期大会 提案文(1972.9) |
(満場一致で可決 11月全員投票実施 住友重機械労働組合に改編される)
「いま、住友機械労働組合は、重大なる決意のもと勇気ある決断をするときが来た、つまり上部団体である総評全国金属労働組合からの脱退を英断を以って提案する次第である。
住友機械労働組合は、そのおかれている立場の重大さを認識して、時代を先取りし創造する労働組合として労働界をリードし、人間性ある豊かな社会を築くことに使命があるとするならば、
階級闘争至上主義からきっぱり手を切り、社会のすべての人々に尊敬され、かつ信頼される労働組合として、労働組合主義に徹した労働運動を着実に推進しなければならない。
又、そのことを実現することによって、私たちの生活条件の維持向上も満足なものとして達成されると確信する。
中央執行委員会は、この歴史的な名誉ある提案を全組合員のみなさんに行なうことができることに対し、身のひきしまる思いがすると同時に感謝の気持ちで心が震え、感動をかくしきれないのである。
全組合員のみなさん、この提案を一人の反対者もなく万場一致で可決し、過去のいまわしい思い出を清算して、民主的労働組合主義に徹した新しい労働組合像を組合員相互の友愛と信義に基づき構築しようではないか。」
私たち住友機械労働組合に結集する組合員は、そのことを現実のものにするため、
一、民主的労働組合主義を基本理念とする運動を推進するため、総評全国金属労働組合を全組合員の総意により脱退する。
(後略)
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4. 住友重機労働組合連合会(現:住重労組の前身) 結成宣言(1973.8) |
住機労組、住重労組、住重玉島労組に結集する我々は、ここに働く仲間一万一〇〇〇名の契りを交しあい、連合会組織の誕生を祝して「住友重機械労働組合連合会」を結成した。
この悲願達成に至るまでの道程それは、ある時は不安定な労使関係の中で、又ある時は路線の異なる労働関係の中で紆余曲折の歴史を刻んできたのである。
就中、巨大な造船と重機械産業界は日本の近代的基幹産業への一大躍進を指向し、急速な再編統合の流れに沿い、いわゆる造船機械産業が誕生した。
この産業の動向と共に、機械の住機・造船の浦賀は労使間、労働間の諸問題を内蔵しつつ合併、合流の運命を背負って来た。
ここには、同一企業内に異なる労働環境と労働条件が併存する現実を生み出し、既存の権利、制度、労働条件、労働慣行の関連の中から深刻な労使間対立、犠牲を伴いつつ、労使が真に民主化されていく状況が要求されていた。
我々三労組は、夫々が育ってきた歴史と伝統、運動の複雑な事情を、それぞれ自主的に克服していく努力を重ね、左翼階級路線に訣別し民主化闘争に成功してきた。
この苦しみの果て、労働組合主義に基づく理念と考え方を大胆に受け入れ、企業内の諸条件の調整統一、年間の三大闘争において、完全共闘の成功をなした。
今日、三労組は共通の価値観に立脚し、労使関係の近代化に邁進する事を決意し、ここに企業連を結成した。
この企業連結成こそ、互いの、努力に芽生え、豊かに実った輝かしい勝利である。
さて、我々住重労連は、日本の基幹産業界の代表的、かつ社会的影響力を持つ造船重機労連に正式に加盟を決定した。
この産別組合は、将来に向けて洋々と開かれており、目覚ましい成果を獲得して来た。
大巾ベア、週休二日制、定年制延長の獲得にみる如く、真に働く者の評価を受け、ますます人間性豊かな福祉向上に寄与しつつある。
我々は、このような期待と未来を信じ、今後の産別闘争、産業政策、福祉政策の課題に取り組んでいこう。
我々は、企業、産業を問わず、それに埋没することなく、真に社会的、経済的地位の向上に向けて、舟出しつつあることを祝福しよう。
更に我々は、共々が高らかに宣言しようではないか。
即ち、三労組一万一〇〇〇名組合員が真心と信義に基づきながら、互いの友愛、信頼をはぐくみつつ、その中で採択してきた綱領と運動基調を堅持し、更には将来の組織単一化を決意することにより、
組合員とその家族の幸福のために全力で邁進しよう。
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