2024.05.25
2023年度の毎月勤労統計調査

厚生労働省が23日発表した2023年度の「毎月勤労統計調査」によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年度から2.2%減ったそうです。マイナスは2年連続となります。企業の賃上げによって名目賃金にあたる「現金給与総額」は増えたものの、物価上昇の勢いに追いつかず、賃金としては目減りした状況が2年間続いています。

連合が公表した2024年春季労使交渉の回答集計によると、ベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた賃上げ率の平均は5%を超えています。交渉結果が反映されるのは4月以降で、実質賃金がプラスに転換するかが焦点になっています。

「現金給与総額」とは、所得税、社会保険料、組合費、購買代金等を差し引く以前の総額のことです。

「きまって支給する給与」(定期給与)とは、労働契約、団体協約あるいは事業所の給与規則等によってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって支給される給与のことであって、所定外労働給与を含みます。

「所定内給与」とは、きまって支給する給与のうち所定外労働給与以外のものをいいます。

「所定外給与」(超過労働給与)とは、所定の労働時間を超える労働に対して支給される給与や、休日労働、深夜労働に対して支給される給与のことであり、時間外手当、早朝出勤手当、休日出勤手当、深夜手当等です。

「特別に支払われた給与」(特別給与)とは、調査期間中に一時的又は突発的理由に基づいて、あらかじめ定められた契約や規則等によらない労働者に現実に支払われた給与や、あらかじめ支給条件、算定方法が定められていても、その給与の算定が3ヵ月を超える期間ごとに行われるものをいいます。また、夏季、年末賞与等のようにあらかじめ支給条件は決められているがその額の算定方法が決定されていないものや、結婚手当等の支給条件、支給額が労働契約等によってあらかじめ確定していても非常にまれに支給されたり支給事由の発生が不確定なものも含めています。

「現金給与総額」とは、「きまって支給する給与」と「特別に支払われた給与」との合計額です。

(出展)
厚生労働省:毎月勤労統計調査で使用されている主な用語の説明
日本経済新聞社:実質賃金、23年度は2.2%減 物価高で2年連続マイナス(2024年5月23日記事)

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